発達障がいがある子の就学前準備(特別支援学級編)

現在、我が家は次男(年中)の就学前準備に取り掛かったところです。

長男の時は障がいの受容もそこそこにバタバタ準備をすることになってかなり大変だったので、おさらいも兼ねて書いておこうと思います。
→長男・次男の障がいについてはこちら

発達障がいがある子の就学前準備タスクは大きく分けて2つです。

①進学先の決定
②放課後の居場所作り

今回は①進学先の決定についての記事です。
結論から言いますと、長男は地域の小学校の特別支援学級(知的学級)に進学しました。
自治体や小学校によって手続き等が違うようですが、一例として参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
のほほ

特性っ子2児の母です。
コロナ後遺症で退職⇒負荷の少ない生活を目指して在宅ワーカー修行中。

勉強記録用にnoteもやっています。マナビDX2023参加歴あり。

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発達障がいがある子の進学先

発達障がいのある子の進学先は、その子の特性や障がいの度合いによって複数の選択肢があります。

  • 特別支援学校
  • 通常学級(定型発達児と同様)
  • 通常学級+通級指導教室
  • 特別支援学級(情緒学級or知的学級)

特別支援学校

中度以上の知的障がいの子や、聴覚障がい、視覚障がい等がある子が対象となる学校で、幼稚部・小学部・中学部・高等部があります。
基本的には幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準じた教育が受けられますが、それに加えて障がいのある児童・生徒の自立を促すために必要なカリキュラムを受けることができるのが大きな特徴です。
地域の学校ではなく、自宅から遠方になり送迎が必要なケースもあります。

私は進学先を検討する際にLITALICOのサイトで情報収集したのですが、特別支援学校についても分かりやすく紹介されております。↓

特別支援学校ってどんなところ?教育環境から入学への流れまで【LITALICO発達ナビ】
障害のあるお子さんが就学する選択肢のひとつとして、特別支援学校があります。 特別支援学校ではどんな教育を受けられるの?通級や特別支援学級との違いやそれぞれのメリット・デメリットは?入り方は? 特別支援学校に関する障害別の情報や、就学相談まで...

通級指導教室

通常学級に在籍しつつ、自立活動として週に何度か特定の教科や活動等を通級指導教室で受けるシステムです。全ての学校で設けている訳では無いので、通級に通う場合は対象の学校に移動する必要があるかもしれません。

こちらもLITALICOで解説されています。↓

通級指導教室の対象や指導の内容、通い方、通級指導教室と特別支援教育との違いを紹介【LITALICO発達ナビ】
通級による指導は小・中学校の通常学級に在籍する障害のある児童の特性に合わせた個別の指導です。保護者にとって、子どもの就学先選びは非常に大きな決断になると思います。様々な選択肢の中から、今、本人にもっとも合う学びの場を選ぶことが大切です。この...

通常学級

ASD(自閉スペクトラム症)の診断がついていても、集団生活への困り感が低い子は通常学級へ入ることもあります。実際に、診断があって療育には通いつつ、通常学級で楽しく過ごしている子が長男の同級生にもいます。
大きくなってくると、本人の希望もあって情緒学級から通常学級へ移籍するパターンもあるそうです。(逆も然りです)

特別支援学級

特別支援学級は地域の小学校にあり、発達障がいがある子が所属する学級です。一クラス上限8人程度の少人数クラスになります。
以下の2種類があります。

◆知的学級
知的障がいを伴う発達障がいの子が所属。その子の理解度に応じた学習カリキュラムを用意してくれる。

◆情緒学級
知的な遅れは無いが発達障がいがあり、通常学級で過ごすことが困難な子が所属。学習スピードは通常学級と同じだが宿題の出し方等は個別に応じてくれる。

学校によっては知的学級と情緒学級が分かれておらず、一緒に特別支援学級として設置されている場合もあります。
また、対象児童数によって学年が混在する場合もあります。長男のクラスは2年生〜6年生の子が所属しており、先生は半分授業、半分課題のような形で学年を跨いで授業をしています。

特別支援学級の子は通常学級にも籍があり、音楽や図工など一部の授業は通常学級で受けます。
息子が通う小学校では、本人の希望や実態に合わせて国語や算数でも通常学級で受けられたり、逆に図工を支援学級で受けさせてくれたりします。

なお、給食は支援学級で食べていますがこの辺りも学校や地域によって異なるようです。
また、カリキュラムの進め方も異なることがあります。
(この辺りは担任の先生によるところが大きい気がしています)
知的学級でひたすら同じプリントを配られているケースもあるとか…
長男は現在特別支援教育に熱心な先生に受け持っていただいているおかげで、本人の学習進度に合わせた授業を受けています。ありがたいことです。

長男は特別支援学級の知的級へ

冒頭にも書きましたが、長男の進学先は特別支援学級(知的学級)です。

長男は当時の発達検査(田中ビネー)でIQ65と軽度知的障がいはあるものの、特別支援学校の対象となる程ではありませんでした。
かといって、知的な遅れがあり、さらに一斉指示が入らない・大人数で過ごすと感覚過敏からくるストレスが顕著等の問題があり、通常学級では絶対に勉強についていくことが出来ません。

ということで特別支援学級を選択したのですが、希望を出すのは情緒学級と知的学級のどちらにするかも決めなければなりません。
この選択については、軽度知的障がいの診断がついていたこともあり、通常学級と同じスピードで進む授業に不安があったので知的学級希望で申し込みました。

以下、特別支援学級に申し込む為にやったことをまとめています。
あくまで私の住む自治体での話ではありますが、大まかな流れは同じだと思います。

特別支援学級に入るまでの流れ

就学相談会

就学相談会は、所属園を通じて申し込むことが出来ます。
発達に不安のある子の親を対象に市の教育委員会+進学予定学校の特別支援教育コーディネーターで面談をしてくれます。(子どもは同席しません)

この時診断が確定している必要はなく、就学・進学に向けて心配がある場合は誰でも相談出来ます。
年中は7月〜8月、年長は6月頃行われています。
年長の相談時には、実際に小学校を見学させてくれます。

相談できる内容は以下の通りです。

・子どもの普段の様子

・就学にあたっての不安なこと

・小学校での生活

・特別支援学級、通級指導教室を希望する場合の手続き方法

就学指導資料を依頼

所属園の先生に就学指導資料の作成を依頼します。
下記の医師診断書と共に9月に園から教育委員会に提出する必要があるので、希望する場合は早めに先生に相談した方が良いです。
長男は7月に診断書を取得したので、そのまますぐに保育園へ預けて資料作成依頼もやりました。

医師の診断書を取得

専門外来を受診し、発達検査を受けた上で「この子は特別支援学級での就学が望ましい」と医師が判断した場合、診断書を作成してもらえます。
所属園に9月までに提出するのですが、診断書と発達検査の有効な診断日・検査日が設定されているので注意が必要です。
(締め切り資料を紛失してしまったので不正確なのですが、おそらく検査は一年以内ぐらい、診断書は半年以内だったように思います。)

長男は児童精神科への予約から初診まで半年待ちましたが、予約希望多数でしばらく新患予約を制限していた時期もあったのでまだ早い方かと思います。

なお、ASDや軽度知的障がいの確定診断がついていても希望したからといって必ず特別支援学級へ入れるとは限りません。
就学指導資料+医師の診断書は所属園から自治体の教育委員会へ提出されますが、そこで教育委員会側からの判定調査で実際に子どもの様子を観察したり、先生からも聞き取りを行うそうです。
その結果、この子がどこで過ごすのが一番良いかを審議して決定されます。
私の住む地域では親の希望の影響も大きいらしいですが、定かではありません。

判定結果は秋頃

長男は診断書を提出後、11月に知的学級への入学が決まりました。所属園に通達があり、園長先生から口頭で教えてもらいました。

長男くんの場合は知的学級に通るだろうと小学校の先生にも言っていただけていたものの、万が一支援学級に入れなかったら不登校になる可能性も覚悟していたのでひと安心でした。

特別支援学級のメリット

特別支援学級に入ったことで、長男にとっては色々なメリットがありました。

入学式の予行演習

4月の初めに、小学校から電話がありました。
なんと支援学級に入学する子を対象に、入学式の予行演習や担当の先生と面会、教室見学をさせてくれるとのことです。
ASDっ子は見通しがつかないことに対して、その道の先が奈落のように感じる程の恐怖感を覚えるそうです。
学校側からの配慮がとてもありがたく、保護者の不安にも寄り添っていただいている感じがして嬉しかったです。

長男は卒園式前後から絶賛不穏中だったので、体育館に入るのもひと苦労でした。
小学校に到着前から泣き始めたので車から頑張って降ろし、体育館前まで引き摺って行き、入り口では「おかーさんが中を見てみたいからついてきて!お願い!」と強引に引っ張り込んで何とか入りました。
予行演習では私の膝から降りること無く、本来自分が座る場所へ行くのも拒否していました。
先生は無理強いせず、「頑張って来てくれてありがとう」と良い距離感で見守っていてくれました。
入学式本番も不穏で1人で入れませんでしたが、「お母さんお隣にいていただいて大丈夫ですよ」と席を用意していただいて、途中退場すること無く無事に式を終えることが出来ました。

個別対応

いざ学校生活が始まり、最初はトイレや通常学級への移動も不安感が強く、先生が付き添ってくださいました。

また、通常学級での授業も情緒学級を含めた支援学級の先生の誰かが1人加配としてサポートに入ってくれます。
一斉指示が通らなくて「はい、では書いてみましょう」で何をすれば良いか分からずフリーズするので、このサポートも非常にありがたいのです。

発達っ子あるあるで偏食もつきものですが、給食についても自分でご飯の量を自分で調整させてくれたり、頑張って完食できたら褒めてくれたりと手厚いです。

長男は宿題についても色々問題がありました。極端に嫌がり手が付けられなかった時期があり、連絡帳に「どうしても取り組めないので宿題お休みしました…」と息絶え絶えに書いたことがあります。
先生は「様子を見て、無理強いはしなくて良いです。学校でもお話してみます」と本人のペースでさせてくれました。

長男
長男

長男はもともと超真面目気質なので、出来ない自分にも苛立っていたようです。

不穏時期を抜けた後は自分から宿題をやるタイミングを決めてやっています。

自分で出来ることをスモールステップで増やそうとしてくれるので、長男も少しずつ自信がついてきて色んな事にチャレンジする力がついてきたように思います。

特別支援学級のデメリット

今の長男についてはデメリットが一切無いのですが、特別支援教育について明るくない先生もいらっしゃるようなので、当たる先生によって対応に差があると思われます。これは残念ながらどうしようもない事かと思います…

また、私自身が知っている小学校生活とは全く異なるのでブラックボックス感が強く、情報が無いうちはとても不安でした。
特別支援学級に行くことによって、中学校の学習は大丈夫?高校進学や就職でデメリットになるのではないか?等、不安が全く無い訳ではありません。

ただ、未来の長男のことも大切ですが、現在の長男が健やかに過ごせることもとても大事だと思っています。
今積み上げている「できる!」の成功体験は、彼が将来躓いた時にもきっと役立つ筈です。

保育園時代は他人に関心が薄くてあまり他の子と遊ぶことも無かったですが、支援学級のクラスメイトの名前も覚えて「お友達」と呼べる子ができました。
学校生活が安定してくると家庭での荒れ具合も劇的に治まり、今では癇癪はほぼありません。

発達障がいのある子は、本人の努力のみではどうしても解決できない困り感を持っています。
周囲からの合理的配慮を得るためにも、特別支援学級は考慮すべき選択肢です。
私は放課後の居場所作りも含めて、環境構築に本気で取り組んで良かったと心から思います。

次男の場合

次男も同じ様に、次男が次男らしくいられる環境を考えていきたいと思っています。
長男とはまた違った困り感を抱えており、知的障がいは無いので情緒学級への進学希望予定です。

次男
次男

「嫌だ!」を意思表示するのが覚束なく、不満があるとダンマリを決め込む。

少人数や先生と1対1では意思表示できるので、親としては情緒学級を

希望していますがどうなることか…

先日、年中児対象の就学相談を受けたのでその辺りも追々記事にできたらなと思います。

放課後の居場所作りに関しての記事はこちら
(記事をアップしたらリンクを貼ります)

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